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チップに関して

ガイドチップについてのご提案

ガイドチップに関して、多くの質問が寄せられています。
日本にはない習慣なのでお気持ちがあっても目安が分からない、渡すタイミングが分からないというお客様が多いようです。ツアー参加時、ガイドにチップをお支払いいただき、ご帰国後、チップを払い過ぎたのではないかとご一報いただくケースもありました。

この場で一般的な金額をご提案したいと思います。また、ガイドへのチップは決して強制ではございません。ガイドのサービスに著しく不備があった場合など、許せないような不満があった場合など、払っていただく必要はありません。チップを渡すときはお札を4つ折りにして握手をするような感じでさりげなく、というのがマナーでしょうか。金額は米国の標準的なものとお考えください。

●テーマパークなど送迎主体のツアーの場合
 ディズニーランドやドジャース球場の単純送迎の場合、参加者1名さまにつき片道5ドル程度を目安としてください。行きと帰りのガイドが異なることも考えて、その場その場で直接渡していただいた方が良いかもしれません。

●半日や1日のツアーで、4時間〜8時間ガイドが終始同行案内するツアーの場合 
 参加者1名さまにつき10ドル〜20ドル程度を目安としてください。

●宿泊つきのツアーの場合
 参加者1名さまにつき1日あたり10ドル〜20ドル程度を目安としてください。

●送迎シャトル(定額制タクシー)をご利用の場合
 請求金額の10~15%程度を目安としてください。

●プライベートチャーター(観光タクシー)をご利用の場合
 請求金額の15%程度を目安としてください。

上記の金額は強制ではありませんが、米国のサービス業務慣習にしたがって記載させていただいております。日本人、アメリカ人などの人種に関係なく、米国の給与体系のもとで働いている者にとってのチップの重要性をご理解いただければ幸いです。

1つのサービスに複数の者が関わっていた場合(例えば、テーマパーク送迎などで行きと帰りの担当ガイドが異なる、グランドキャニオンなどで送迎担当、パイロット、現地ガイドなど複数名が関わる場合)には、上記の金額をその任務の量によって分けて構いませんが、そこまで厳密な性格のものでもありません。サービス自体が部位により細分されていた場合はチップは特に気にされなくて結構です。

サービスの質がとても悪い、チップをあげるに値しない、という判断をされたときは、むしろその意思をお伝えいただく意味でも、チップをあげる必要はありません。ガイドも自分の振る舞いを反省するきっかけになるかもしれません。逆に、期待以上のサービスだったと思われる場合は、その気持ちを伝えるためにも、あるいは本人の向上心につなげる意味でも、相場にこだわる必要もありません。

チップは米ドルキャッシュで直接ガイドにお渡しいただいても、クレジットカードのご利用でも構いません。クレジットカードでチップを支払いたいというご希望がある場合はガイドにその旨お伝えください。その場合お客様のメールアドレスが必要です。

お支払いいただいたチップは、キャッシュでもクレジットカード決済でも、お客様からいただいた全額が担当ガイドに直接支払われます。

エレファントツアー代表者からのメッセージ

アメリカに旅行するにあたって、日本人にとって煩わしい問題の一つが「チップ」だと思います。アメリカの習慣だからとは言え、半ば強制的に請求されるチップに閉口する方も多いと思います。この「チップ」について考察したいと思います。どんなガイドブックでも「米国ではチップが習慣となっている」というようなことは書かれています。またYouTubeやブログなどでも発信している人が多いので、このチップのことを知らない人はほぼいらっしゃらないでしょう。レストランだと〇〇、美容院では〇〇、ベッドの枕のそばに〇〇、荷物を運んでくれるポーターには〇〇、タクシーを呼んでくれたドアマンには〇〇など、こと細かに説明していることも少なくありません。つまりサービス業にあたる人に、サービスをしてもらったら渡すもの、として認識されています。

ところが、相手が日本人だったらどうしますか。実はとても重要なことなのに、ほとんどこのことに触れているガイドブックやSNSを目にしたことがありません。日本人経営のお寿司屋さんやラーメン屋さんに入ったら、会計のときチップはどうしますか。支払いますか。その理由は? または払いませんか。その理由は? では日本人の運転手やガイドさんにはあげますか。その理由は? またはあげませんか。その理由は?

このように書くと、明確な答えを言える人が少ないことに気づきます。日本にはチップの習慣がないからあげませんか。相手がアメリカ人ならあげますか。本当は日本人(または日本語で対応してくれる人)なら言葉の問題もなく、細かいニュアンスも通じて、とても良いサービスを受けられているのではないでしょうか。ガイド業に携わる者として、このテーマはとても言い出しにくいものなのです。時おりお客様から「チップは渡したほうがいいですか」と聞かれます。何と答えたらいいのでしょう。センシティブな問題なので私は「お気遣いなく」と告げます。

今、アメリカの日本人ガイドに(私が知っている限り)異変が起きています。ロサンゼルス国際空港にご到着して目に入ったと思いますが、空港で日本人のお客様名を掲げて待っているガイドさんはほぼ50代、60代、場合によっては70代です。つまり若い世代が育っていないのです。なぜでしょうか。同じ観光ガイドをするなら日本人以外のお客様の方が断然にチップ収入が期待できるからです。チップを含めた総収入を計算すると、一般的にはお給料の1.5〜2倍ぐらいになります。収入面だけでなく、お客様一人ひとりが最後に「Thank You」と言いながらチップを渡されると、モチベーションも上がります。喜んでもらえたということが肌で感じられるわけです。一世として日本からこの国に住み出し、苦労して永住権を取り、中には米国市民になり、米国で子供が生まれると、その子たちは日系アメリカ人として育ちます。もちろん言葉も日本語・英語のバイリンガルになる人もたくさんいます。一世としてアメリカに渡り、人の面倒を見ること、喜んでもらえることが3度の飯より好きな人が、ガイドという職業を選んでいる場合が多いのです。そのガイドさんの子供たちは親の姿を見て育ちます。そして残念なことに、ガイドさんの子供のうちほとんど全員が「日本語ガイド」という道を選ばないのです。だから現地の日本人ガイドは高齢化の一途を辿っています。このままではこの世代で日本人ガイドはほぼ終了してしまうことでしょう。そうすると、日本からお客様が観光やビジネスで来ても、日本語ガイドさんが圧倒的に人手不足となり、なかなか日本語ガイドの手配が難しくなり、運良く探せたとしても、かなり高額になることは間違いありません。私はもう引退する身ですから、次世代のことを考えると頭が痛くなるのです。HISさんが格安航空券を始めて、地球の歩き方がガイドブックの定番になって来たのが40年以上前。その頃から海外旅行ブームが訪れ、当社も遅ればせながら仲間入りして土壌を作ってきた訳です。

この辺りでこの悪習慣はやめて、みんなで盛り上げていきませんか。そして、多くの現地ガイドさんが魅力的に感じる労働環境を作って行きたいと思います。そうは言うものの、相場感も分からないし、誰に聞けば良いんだろう、と言う方のためにスタンダード基準はこんな感じではないだろうかと言う提案をしてみました。もちろん、「海外旅行でチップは当たり前なので、私は日本人ガイドさんにも感謝の気持ちを伝えるために、日頃からチップは習慣化していますよ」と言う方に対しては失礼な言葉になってしまったことをお許し願えればと思います。ご自身のご判断で今まで通り続けていただければ幸いです。

チップとしてお渡しするのは米ドルキャッシュ(持ち合わせがなければ日本円でも失礼にならないと思います)がベストです。クレジット決済の場合は事前にチップを上乗せして払うと言う方法もありますが、サービスを見る前に金額を決めるのに抵抗があると言うかたもいらっしゃるでしょう。また、サービスが良かったらチップを渡す、と言う認識は少々違うのです。逆にサービスがひどかったら渡さない、または減額すると言うのが一般的です。チップは1ドル、2ドルなら渡さないほうが良いと私は思います。大の大人に日本円で100円、200円では失礼ではないかと言う考えからです。

次の世代の良いガイドさんを育てるためにも「相手が日本語を喋ったらチップはあげない」と言う悪習慣を卒業したいと思います。老婆心ながら、引退する身から大変無礼なご提案ですが、失礼をお許しください。